チベット(2) 文化の弾圧と継承

チベット人に初めて会ったのは
インドを旅したときのことでした。
北インドのある町で、日本人旅行者らしき人を見つけた私は
話しかけようと近づきました。
が、その人はどうも身なりが現地の人の様子で、貧しそう。。。
よーく観察してみると、チベット人だということがわかりました。


チベット人と日本人は姿かたちが結構似ていますが、
それ以上に謙虚な態度というか、行動が慎ましいところが日本的(それ以上)に感じられました。

その後、デリーのチベット街に行ったときも同じ印象でしたし、
仏教の聖地サルナートでもそうでした。


今回チベット自治区に来て、やはり同じ印象を持ちました。

礼儀正しく、純真で素朴、子供の無邪気さを持ちながらも凛としている。
といった感じでしょうか。


逆境にあるときは、
少し心を汚して、相手に敵意を持ち
心を閉ざし気味にしたほうが楽だったりします。
チベットでの侵略から早50年、経済的、文化的弾圧は続いていますが、
その逆境の中でさえ、チベットの人たちから
不平を聞くことは一度もありませんでした。


心を清らかに保ちながらも心を閉ざすことなく開放的でいることは、心の強さを必要とします。
チベット文化の根底にある大事なものを大切に持ち続け、
それを自然に実践できているチベットの人たちに脱帽した今回の旅でした。